最近、新型コロナの流行で良く聞くようになった「次亜塩素酸水」についてご存知でしょうか。
次亜塩素酸水は食品業界でも使用され、平成14年に食品添加物として指定されました。
本記事では、次亜塩素酸水の特徴や安全性について解説したいと思います。
Contents
次亜塩素酸水とは
次亜塩素酸水は殺菌料の一種であり、次亜塩素酸を主成分とする水溶液のことをいいます。
次亜塩素酸は、塩酸または食塩水を電解することで得られます。
次亜塩素酸水の中に含まれる塩素性物質(有効塩素)が殺菌作用を示します。
塩素性物質が含まれるので、プールのような匂いがすることが特徴です。
また、製造方法によって以下の2種類に分類され、それぞれ有効塩素濃度が異なります。
強酸性次亜塩素酸水
0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽内で電解して,陽極側から得られる水溶液。
有効塩素は20~60 mg/kg。
pHは2.7以下。
弱酸性次亜塩素酸水
0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽内で電解して,陽極側から得られる水溶液、または、上記陽極から得られる水溶液に陰極から得られる
水溶液を加えたもの。
有効塩素は10~60 mg/kg。
pHは2.7~5.0。
微酸性次亜塩素酸水
3%以下の塩酸及び 5%以下の塩化ナトリウムを含む水溶液を無隔膜電解槽内で電解して得られる水溶液。
有効塩素は50~80 mg/kg。
pHは5.0~6.5。
次亜塩素酸ナトリウムとの違い
次亜塩素酸水と似た名前の殺菌料として次亜塩素酸ナトリウムがあります。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの大きな違いは、pHが異なるという点です。
次亜塩素酸水は上述したように弱酸性から中性付近のpHですが、次亜塩素酸ナトリウムは強力なアルカリ性です。
これは、アルカリ性にすることで殺菌成分を安定化し、殺菌力の持続性を高める意味を持ちます。
次亜塩素酸ナトリウムは水道水やプールの殺菌で用いられていますが、強力なアルカリ性であるため、皮膚に直接つけた消毒等はできません。
食品業界ではどのような用途で使用されているのか?
食品業界でも次亜塩素酸水は殺菌料として使用され、主に食材、機械・器具等の洗浄消毒の他、手洗いに用いられます。
食材に使用する場合は、あらかじめ食材の汚れを十分に洗い落とした後、次亜塩素酸水を流水使用します。
また、浸漬で使用する場合は、必ず次亜塩素酸水を連続的に供給し、オーバーフローで行わなければなりません。
使用後は水洗等で食材から必ず次亜塩素酸水を取り除かなければなりません。
次亜塩素酸水の安全性は?
次亜塩素酸水は、上述の通り最終食品の完成前に完全に除去することが義務付けられており、直接摂取すると危険な物質です。
しかし、食品中への残留試験を行っており、次亜塩素酸水は食品中に残留する可能性は低いことが確認されているため、一定の範囲での使用が許可されています。
次亜塩素酸水はコロナに効くのか
独立行政法人のNITEが新型コロナウイルスに対して、次亜塩素酸水が有効であるか検証した結果、有効であるとの判断がなされました。
ただし、有効塩素濃度が低い場合や、有機物と触れると効果が減少することがあるとのことで、使い方には注意が必要です。
次亜塩素酸水はコロナウイルス以外にも、アルコールでは殺菌できないノロウイルスに対しても効果があります。
オススメの次亜塩素酸水
通販サイトで購入可能なオススメの次亜塩素酸水をご紹介します。
あっ!と@クリア次亜塩素酸水
国内某検査機関にて除菌効果が証明されているものです。
排水溝や生ごみ、タバコ臭や車内の消臭、ドアノブの除菌など様々な場面で効果を発揮します。
有効塩素濃度も高いので、薄めて使うことができます。
バイオチャレンジJ
第三者機関によって効果が確認されている次亜塩素酸水です。
使用用途によって、目安となる希釈倍率が設定されているので、安心して使用できます。
お子様がいる家庭はアルコール製剤がオススメ
殺菌料として非常に優れている次亜塩素酸水ですが、最終食品で除去しなければならない点を考慮すると、安全性においてはアルコール製剤の方が優位性があると思います。
特に小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、間違って口に入れてしまうリスクもありますので、アルコール製剤を使う方がオススメです。
アルコール製剤に関しては以下の記事で解説していますので、よければそちらもご覧ください。
食品添加物アルコール製剤の安全性は?安全性の高いものも紹介!