料理に使う片栗粉と小麦粉の違いについてご存知ですか?
片栗粉と小麦粉は見た目がよく似ているものの、実は中身が全く異なるものです。
本記事では、片栗粉と小麦粉の違いやそれぞれの特徴について解説したいと思います。
小麦粉とは
まず、小麦粉とは小麦という植物を挽いて作られた粉のことを言います。
非常に多くの食べ物に用いられているため、多くの方は知っていると思いますが、小麦粉の成分は実はあまり知られていません。
小麦粉の主成分は、でん粉とタンパク質であり、でん粉が7割から8割、タンパク質が1割くらいを占めています。
小麦粉の中でも、タンパク質の含量によって、薄力粉、中力粉、強力粉に分類されます。
薄力粉
薄力粉(はくりきこ)はタンパク質の割合が8.5%以下のもので、菓子類やフライ食品に使われます。
タンパク質が少ないことから小麦粉のタンパク質であるグルテンの特徴が生じにくいです。
中力粉
中力粉はタンパク質の割合が9%前後のもので、うどんなどの麺類、お好み焼き、たこ焼きなどに用いられます。
強力粉
強力粉(きょうりきこ)はタンパク質の割合が12%以上のもので、パンや一部のパスタ等に用いられます。
片栗粉とは
片栗粉とは、昔はカタクリという植物のでん粉のことを指していましたが、近年は、じゃがいもから取れたでん粉を片栗粉として販売しています。
小麦粉と片栗粉の異なる点
小麦粉と片栗粉の違いについて、上述した内容から成分が異なることが分かります。
つまり、小麦粉は、小麦のでん粉とタンパク質であり、片栗粉はじゃがいものでん粉であります。
また、それぞれの特徴について、小麦粉の最大の特徴は、グルテンというタンパク質を含むことであり、グルテンは粘弾性が非常に優れていることから、食品にもちもち感を付与したり、骨格として機能させることが出来ます。
具体的には、パンはグルテンがないと、骨格不足となり、ふくらみづらくなります。
また、うどんなどは、こしを出すためにはグルテンが必要です。
一方で、片栗粉に含まれるじゃがいものでん粉は、小麦粉のでん粉と比べて、粒の大きさが大きいという特徴があります。
でん粉は、水を加えて熱をかけることで食品にとろみを付与することができますが、じゃがいものでん粉は、水を吸いやすく、小麦のでん粉と比較して粘度が高くなります。
また、じゃがいものでん粉は、フライ食品に利用すると、竜田揚げに見られるような白い粉を吹いたような外観を生じさせることが出来ます。
これは、じゃがいものでん粉の粒度が大きいため、フライ中に水が一気に抜ける過程ででん粉が膨化することに起因します。
よって、フライ食品をサクサクにしたい場合は、片栗粉を使うことをお勧めします。