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子どものお菓子・ジュースの添加物:親が知っておくべき10の成分を食品科学者が解説【合成着色料・人工甘味料】

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子どものお菓子・ジュースの添加物:親が知っておくべき10の成分を食品科学者が解説【合成着色料・人工甘味料】

「子どもが毎日食べているお菓子、原材料を見たら知らない名前がたくさん」「カラフルなジュースや駄菓子の着色料は子どもに影響があるの?」「EUで禁止されているのに日本で使われている添加物って本当にあるの?」——子どもを持つ保護者からこうした不安の声をよく聞きます。

私は食品化学の研究者として、食品添加物の安全性評価と子どもへの食品リスクを学習してきました。本記事では、子ども向けのお菓子・ジュースに使われやすい10の添加物を科学的に解説し、ADHDや多動性との関連を示す研究も紹介します。「全部危険」でも「全部安全」でもない、正確な情報をお届けします。

子どもと添加物:大人より影響を受けやすい理由

大人向けの安全性評価をそのまま子どもに当てはめることには、食品科学的な問題があります。ADI(一日許容摂取量)は体重1kgあたりの量で設定されますが、子どもは体重が軽い分、同じ量の添加物を摂取した場合の体重あたりの濃度が高くなります。

さらに重要なのは、子どもの肝臓・腎臓などの解毒・排出機能が発達途上にあるという点です。特に乳幼児期は血液脳関門(脳への有害物質の侵入を防ぐバリア)も未完成な状態であり、一部の物質が成人より脳に影響を与えやすい可能性があります。また、子どもは体重に比して食事量が多く、同じ食品を繰り返し食べる傾向があるため、特定の添加物への累積的な曝露量が成人より高くなりやすい特性があります。

子どもが成人より注意すべき理由
体重あたりの
摂取量が多い
解毒機能・血液脳関門が発達途上
特に注意したい添加物
合成着色料
人工甘味料
子どもの多動性との関連研究あり
最も安全な対策
原材料が
シンプルな食品
手作り・素材系おやつへの切り替え

合成着色料とADHD・多動性の関係:サウサンプトン研究とは

子どもへの添加物の影響を語る上で外せない研究が、2007年に発表されたサウサンプトン大学の研究です。英国のサザンプトン大学のDonna McCann教授による調査では、人工着色料・食品添加物が子どもの多動性を増強する可能性が示唆されています

この研究では、3歳・8〜9歳の子どもたちを対象に、合成着色料6種と保存料(安息香酸ナトリウム)を含む飲料を摂取させた場合と、プラセボ(着色料なし)を摂取させた場合で多動性を比較しました。結果として、合成着色料を含む飲料を摂取した子どもは多動性行動が有意に増加したことが報告されました。この研究を受けてEUは2008年に対象の合成着色料6種を含む食品への警告表示(「子どもの活動・注意力に悪影響を与える可能性がある」)を義務付けました。

食品科学者として重要な補足をすると、この研究は「合成着色料が直接ADHDを引き起こす」ことを証明したものではなく、「多動性を増強する可能性を示唆した」ものです。またADHDの発症には遺伝的要因も大きく関与しており、着色料だけが原因とは言えません。ただし、子どもの多動性を懸念する保護者にとっては合成着色料を避けることには一定の科学的根拠があります。

子どものお菓子・ジュースに多い添加物10種を科学的に解説

① 合成着色料(赤色40号・黄色4号・青色1号など)

タール系色素は、カラフルな色を出す人工着色料です。いかにも子どもが好きそうなはっきりとした色を出します。日本では使用されていても、ヨーロッパ諸国では禁止されている人工着色料もあります。体内に留まりやすい添加物であるので、体内に蓄積されていく懸念があります。前述のサウサンプトン研究で多動性との関連が示唆された6種(タートラジン・キノリンイエロー・アリュラレッド・カルモイシン・パテントブルーV・サンセットイエロー)が特に注意が必要です。

② 安息香酸ナトリウム(保存料)

清涼飲料水・ジュースに使われる保存料です。サウサンプトン研究で合成着色料と組み合わせた際の多動性増強効果が報告されています。ビタミンCと同時に摂取すると発がん懸念物質のベンゼンが微量生成されることも指摘されています。

③ 人工甘味料(アスパルテーム・スクラロースなど)

人工甘味料は、血糖値の上昇や腸内環境への悪影響が指摘されています。ジャンクフードの濃い味を知ってしまうと、家庭でも濃い味を好むようになります。子どもの発達段階において過度に甘い味覚に慣れることは、将来的な食の嗜好・健康に影響を与えるという観点からも注意が必要です。

④ カラメル色素(Ⅲ・Ⅳ類)

コーラ・チョコレート味のお菓子・醤油味スナックに多く使用されます。アンモニア化合物使用のカラメルⅢ・Ⅳは発がん懸念物質の生成が報告されており、子どもへの影響の観点では特に慎重に考えるべき成分です。

⑤ 調味料(アミノ酸等)

スナック菓子・ポテトチップス・インスタント食品に広く使用されます。子どもがこの強いうま味に慣れると、素材の薄い味では満足できなくなり、より濃い味のものを好む傾向が強まるという懸念があります。

⑥ 香料(合成)

グミ・キャンディー・チューインガムなどに多く使用される合成香料は、「香料」という一括名称で数十種類以上の化合物が含まれる可能性があります。子どもは嗅覚が敏感な時期であり、強烈な人工香料への慣れが天然の食品の香りへの感受性を低下させる可能性があります。

⑦ 亜硝酸ナトリウム(発色剤)

ウインナー・ソーセージ・ハムなど、子どもが好む加工肉に使用される発色剤です。亜硝酸ナトリウムに関してはFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)において評価が行われており、発がん性については人の摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠はないとされております。ただし加工肉の食べ過ぎはWHOが注意を呼びかけており、子どものウインナー・ハムの過剰摂取には注意が必要です。

⑧ リン酸塩(結着剤・品質改良剤)

加工肉・チーズ加工品・インスタント食品に使用されます。リン酸塩の過剰摂取はカルシウム・鉄の吸収を阻害する可能性があり、成長期の子どもの骨の発育への影響が懸念されます。

⑨ ソルビトール(甘味料)

「天然由来」として安全なイメージがありますが、ソルビトールの大量摂取は腸内細菌叢を大きく変化させ、消化器症状を引き起こす可能性が報告されています。特に子どもは少量でも影響が出やすいため、ソルビトールを多く含む製品(一部のグミ・低糖質キャンディーなど)の過剰摂取に注意が必要です。

⑩ トランス脂肪酸(マーガリン・ショートニング)

スナック菓子・クッキー・ドーナツなどに使われるショートニング・マーガリンはトランス脂肪酸を含む可能性があります。WHOは2023年までに世界から工業型トランス脂肪酸を排除する目標を掲げており、多くの国が規制を強化しています。日本では規制が行われていませんが、「ショートニング・マーガリン」の表示がある製品は注意が必要です。

EUでは禁止・日本ではOKの成分:なぜ違いがあるのか

EUなどで禁止されている物質が日本ではOKになっていることに、ショックを覚えるかもしれません。代表的な例として、サウサンプトン研究で問題視されたタール系合成着色料6種は、EUでは「子どもの活動・注意力に悪影響を与える可能性がある」という警告表示が義務化されましたが、日本では現在も使用が許可されています。

この違いの背景には、EUと日本の食品安全行政における予防原則の適用の違いがあります。EUは「不確実な段階でも予防的に規制する」傾向が強く、日本は「安全性に明確な問題が確認されてから規制する」傾向があります。どちらが正しいかは単純に判断できませんが、子どもの健康を最優先に考えるなら、EU基準を参考に合成着色料を避けるという選択肢は科学的な根拠があります。

子どもに安全なおやつの選び方:実践ガイド

① 原材料欄を「スラッシュ(/)」で分けて確認する

食品の原材料欄では、「/」(スラッシュ)以降が食品添加物の表示です。スラッシュ以降の記載が少ないほど添加物が少ない製品です。カラフルな色のお菓子・ジュースは特に合成着色料の有無を確認しましょう。

② 「天然着色料」を選ぶ

着色料が必要な場合も、「クチナシ色素」「紅麹色素」「ビート色素」など天然由来の着色料を使った製品は、合成着色料より安全性への懸念が低いとされています。

③ 果物・野菜・ナッツなど素材そのものをおやつにする

りんご・バナナ・みかんなど自然の甘みを持つ果物、また素焼きナッツ・干し芋・チーズ・ゆで卵などは添加物ゼロかつ栄養豊富なおやつとして子どもにも適しています。本サイトの「体にいいお菓子おすすめ記事」もあわせてご参照ください。

④ ジュースは「果汁100%・砂糖不使用」を選ぶ

果汁100%無添加のジュースは酸味がありますが、人工甘味料の多いジュースは酸味がなく甘いです。子どもの飲み物は果汁100%か麦茶・お茶・水を基本にすることで、人工甘味料・合成着色料・保存料の摂取を大幅に減らせます。

まとめ

この記事のまとめ

  • 子どもは体重あたりの摂取量が多く、解毒機能・血液脳関門が未発達なため成人より添加物の影響を受けやすい
  • サウサンプトン大学の研究で、合成着色料6種と安息香酸ナトリウムが子どもの多動性を増強する可能性が示唆された
  • 特に注意したい成分:合成着色料(タール系)・安息香酸ナトリウム・カラメルⅢ・Ⅳ・トランス脂肪酸・リン酸塩
  • EUでは警告表示が義務化された合成着色料6種が日本では現在も使用可能。予防原則の観点から避けることは科学的に合理的
  • 実践対策:原材料のスラッシュ以降を確認・カラフルなお菓子を避ける・果汁100%ジュースを選ぶ・素材系おやつに切り替える
  • 全ての添加物が危険なわけではないが、子どもへの影響を考えた場合はより慎重な選択が望ましい

子どものおやつ選びは「全部禁止」ではなく「成分を理解して頻度と量をコントロールする」という視点が現実的です。本サイトでは食品添加物の解説記事・安全なお菓子の選び方記事も掲載していますので、あわせてご覧ください。子どもの食品添加物についてご質問があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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監修・執筆:azu(食品化学研究者)

農学部卒業後、大学院にて酵素研究を専攻(修士課程修了)。現在は食品メーカーにて研究職として勤務。保有資格:食品衛生管理者・毒物劇物取扱責任者・甲種危険物取扱者・食生活アドバイザー3級。

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