チョコレートの温度を調節して、チョコレートに含まれるココアバターを安定した結晶を作り出す作業をテンパリングといいます。
溶かしたチョコレートを冷却し、再加熱することで安定的な結晶を取り出すことができます。
その過程を詳しく解説していきたいと思います。
Contents
テンパリングとは、チョコレートのなかのココアバターをⅤ型として結晶化させる作業のことです。
具体的には、溶かしたチョコレートを冷やし固める前に行う温度調節の作業です。
テンパリングはなめらかでおいしいチョコレートを作るために欠かせない、非常に重要な作業です。
しかし、チョコレートを手作りする一般の人にとっては、失敗の原因になりやすい作業です。
テンパリングは「難しい」「面倒」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
安定結晶(Ⅴ型)で固まったチョコレートは緻密な構造を有します。
テンパリングがうまく行われていないチョコレートと比較してみます。
チョコレートが個体であるのは、チョコレートを構成しているココアバターが結晶化しているからです。
結晶化したココアバターはⅠ型からⅥ型まであり、その状態によって安定結晶か不安定結晶かに振り分けられます。
チョコレートの場合、すべてのココアバターが安定結晶(Ⅴ型)である必要があります。
テンパリングでは、安定したⅤ型結晶を生成させるために、下記のようにチョコレートの温度調節をしていきます。
チョコレートは、ココアバターの結晶が安定した形に統一されている場合にのみ正常に固まることができ、艶のある仕上がりになります。
逆に不安定な結晶が混ざっていると、チョコレートがきちんと固まらないだけでなく、ブルーム現象の原因になります。
不安定な結晶が混ざった状態のチョコレートは、表面がでこぼこしているため、光が乱反射して白っぽく見えます。
テンパリングが不十分なチョコレートが、ブルーム現象を起こし白っぽく見えるのは、不安定な結晶がチョコレートの表面にできているためです。
この状態でチョコレートを型に流せば、艶のあるおいしいチョコレートができあがります。
テンパリングで一番重要なのは、冷やす温度、加熱する温度を正確にすることです。
さらに均一に撹拌することも大切です。
それさえできればテンパリングは失敗しません。
温度を正しく均一に撹拌作業をするためには以下の点が重要になります。
・温度を正確に測定する
・湯煎や水につける時間を短くして急激な温度変化を防ぐ
・ヘラなどで均一になるようよくかき混ぜる
・チョコレートに水分が入らないようにする(湯煎の湯気にも注意)
難しく面倒なテンパリングですが、その作業が不要の手作り用チョコレートも販売されています。
こちらを使えば気軽に自宅で手作りチョコレートがつくれますので、試してみてください。
タブレット状のコーティング用ミルクチョコレートです。
テンパリング不要なので湯せんで溶かしてすぐに使用できます。
型抜する場合は冷蔵庫でしっかり冷やすときれいに仕上がります。
イタリアのイルカ社のコーティング用(上掛け)チョコレートです。
クーベルチュールとは違い、テンパリング作業を必要とせず、湯煎で溶かしてそのままお使いいただけます。 形状は計量しやすいコイン型になっています。
ケーキの上掛けやエクレア、デニッシュ、ドーナツなどのコーティングに最適です。
※45℃以下で湯煎し、溶かしてご使用ください。
ピューレ・ジャム・強化果汁など含水食品が添加できるホワイトチョコレートです。
ピューレ3%以下、ジャム8%以下の添加でお好みの風味にすることが可能です。
上掛けやサンドクリームにと幅広い用途でご利用頂けます。テンパリング不要の使いやすいキューブタイプ。
テンパリングが不要なミルクチョコレートです。
袋ごと湯せんにかけてチョコレートを溶かし、カップやモールドに流すだけで、手づくりチョコがお楽しみいただけます
https://item.rakuten.co.jp/wrappingstore/tukuru_25137/