塩味

塩味の代表的なものといえばNaClですが、他の塩はかなり違った味がすることが知られています。これは、塩の味質は陽イオンと陰イオンの両方に依存しているためであると考えられます。

KIやMgSO4(ニガリの成分)のようなアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は苦味を呈することが多いです。一般に塩の陽イオンまたは陰イオンの原子量が大きくなるほど、苦味が増す傾向にあると考えられています。陽イオンの価数が大きいほど味が強い傾向があります。また、無機イオンだけでなく、コリン、グルコースアミンなどの有機イオンの塩も塩味を示し、アミノ酸のカルボキシル基がアミド型になるとアミノ酸は陽イオンとなり、塩味を示します。

現在、特に日本人は食塩の取り過ぎと言われており、NaClの取り過ぎは健康に悪影響を及ぼすと考えられます。よって、NaClと同じような味のする素材の探索が行われています。

塩には、他の味を増強することが確認されており、食塩が存在すると、アミノ酸、うま味物質、糖などの味覚強度は著しく増強されることが知られています。逆に言えば、適度の食塩が存在しないと、他の味覚強度は著しく小さくなり、減塩食がおいしくないのはこのためです。実際に実験した例として、食塩やリン酸ナトリウムの濃度を上げると、グリシンやアラニンの甘味は著しく増強されるという結果が得られています。塩の増強効果は塩の陰イオンの種類と陽イオンの種類によって異なり、イオンが味受容膜に結合することで、受容膜のコンホメーションが変化して、受容体への親和性が増すためであると考えられています。

多くの食べ物の味は、アミノ酸とうま味物質と食塩の組み合わせで形成されており、特に日本では刺身に醤油をつけたり、魚を焼くときに塩をつけてたりする行為を私たちは経験的に行ってきました。上記でも述べましたが、日本人は食塩を摂取しすぎているとされており、現在、日本人は1日13g程度の食塩を摂取しているといわれています。しかし、食塩の取り過ぎは血圧を上昇させるということで、WHO(世界保健機関)は、1日の食塩摂取量を5g以下に制限することを推奨しています。ただ、食塩を制限することで、うま味を引き出す効果はすくなくなり、食事がおいしくなくなってしまうことが懸念されます。さらに、実際これほどの減塩が必要かどうかということについては、現在も議論が交わされている段階であり、極端に減塩しても、とくに血圧の低下が見られないといった報告もあります。そういった背景から、かなりの過剰量の塩を摂ることは避けたほうが良いですが、基本的な食生活を行っていく上での塩の摂取については、それほど気にする必要がないと考えられます。

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