着色料とは、食品を美化し、魅力を増すために着色の目的で使用される食品添加物をいいます。
表示については、着色料と記載し、その後()内に該当する食品添加物の物質名を列挙します。
指定添加物
β-アポ-8’-カロテナール
C30H40Oの化合物で、着色剤として使用されます。
β-カロテン
C40H56の化合物で、植物に豊富に存在する赤橙色色素の一つであり、着色剤として使用されます。
カンタキサンチン
C40H52O2の化合物で、鶏やサケ・マスの飼料添加物として、肉質の色調強化を目的に使用されています。
三二酸化鉄
天然の鉱物である赤鉄鉱の主成分で、赤色色素として使用されています。
食用赤色2号(別名アマランス)及びそのアルミニウムレーキ
C20H11N2Na3O10S3の化合物で、赤色の着色料です。
食用赤色3号(別名エリスロシン)及びそのアルミニウムレーキ
C20H6I4Na2O5の化合物で、赤色の着色料です。
食用赤色40号(別名アルラレッドAC)及びそのアルミニウムレーキ
C18H14N2Na2O8S2の化合物で、赤色の着色料です。
食用赤色102号(別名ニューコクシン)
C20H11N2Na3O10S3の化合物で、赤色の着色料です。
食用赤色104号(別名フロキシン)
C20H2Br4Cl4Na2O5の化合物で、赤色の着色料です。
食用赤色105号(別名ローズベンガル)
C20H2Cl4I4Na2O5の化合物で、赤色の着色料です。
食用赤色106号(別名アシッドレッド)
C27H29N2NaO7S2の化合物で、赤色の着色料です。
食用黄色4号(別名タートラジン)及びそのアルミニウムレーキ
C16H9N4Na3O9S2の化合物で、黄色の着色料です。
食用黄色5号(別名サンセットイエローFCF)及びそのアルミニウムレーキ
C16H10N2Na2O7S2の化合物で、黄色の着色料です。
食用緑色3号(別名フアストグリーンFCF)及びそのアルミニウムレーキ
C37H34N2Na2O10S3の化合物で、緑色の着色料です。
食用青色1号(別名ブリリアントプルーFCF)及びそのアルミニウムレーキ
C37H34N2Na2O9S3の化合物で、青色の着色料です。
食用青色2号(別名インジゴカルミン)及びそのアルミニウムレーキ
C16H8N2Na2O8S2の化合物で、青色の着色料です。
水溶性アナトー
ベニノキの種子から抽出される色素であり、黄色~赤色の着色料です。
既存添加物
アナトー色素
ベニノキ科ベニノキ(Bixa orellane LINNE)の種子の被覆物より、熱時油脂若しくはプロピレングリコールで抽出して得られたもの、室温時ヘキサン若しくはアセトンで抽出し、溶媒を除去して得られたもの、又は熱時アルカル性水溶液で抽出し、加水分解し、中和して得られたものです。主色素はビキシン及びノルビキシンで、黄色~橙色を呈します。
アルミニウム
27Al。
ウコン色素
ウコン(Curcuma longa Linne)の根茎から得られた、クルクミンを主成分とするもので、食用油脂を含むことがあります。
オレンジ色素
ミカン科アマダイダイ(Citrus sinensis OSBECK)の果実又は果皮より、搾汁したもの、又は熱時エタノール、ヘキサン若しくはアセトンで抽出し、溶媒を除去して得られたもので、主色素はβ-クリプトキサンチンの脂肪酸エステルです。黄色を呈します。
カカオ色素
アオギリ科カカオ(Theobroma cacao LINNE)の種子(カカオ豆)を発酵後、焙焼したものより、温時弱アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたものです。主色素はアントシアニンが熱により重合したもので、褐色を呈します。
カキ色素
カキノキ科カキ(Diospyros kaki THUNB.)の果実を発酵後、焙焼したものより、温時含水エタノールで抽出して得られたもの、又は温時弱アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたもので、主色素はフラボノイドです。赤褐色を呈します。
カラメルⅠ
でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物を、熱処理して得られたもの、又は酸若しくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので、亜硫酸化合物及びアンモニウム化合物を使用していないものです。
カラメルⅡ
でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、亜硫酸化合物を加えて、又はこれに酸若しくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので、アンモニウム化合物を使用していないものです。
カラメルⅢ
でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、アンモニウム化合物を加えて、又はこれに酸若しくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので、亜硫酸化合物を使用していないものです。
カラメルⅣ
でん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、亜硫酸化合物及びアンモニウム化合物を加えて、又はこれに酸若しくはアルカリを加えて熱処理して得られたものです。
カロブ色素
マメ科イナゴマメ(Ceratonia siliqua LINNE)の種子の胚芽を、粉砕して得られたものである。淡黄色を呈します。
魚鱗箔
イワシ科マイワシ(Sardinops melanosticta TEMMINCK et SCHLEGEL)、タチウオ科タチウオ(Trichiurus lepturus LINNE)又はニシン科ニシン(Clupea pallasi CUVIER et VALENCIENNES)の魚体の上皮部を採り、室温時水又は弱アルカリ性水溶液で洗浄後、室温時エタノールで抽出して得られたもので、主色素は不明であるが、グアニンを含みます。白色~淡黄灰色を呈します。
金
197Au。
銀
107Ag, 109Ag。
クチナシ青色素
クチナシ(Gardenia augusta Merrill又はGardenia jasminoides Ellis)の果実から得られたイリドイド配糖体とタンパク質分解物の混合物に、β-グルコシダーゼを添加して得られたもので、デキストリン又は乳糖を含むことがあります。
クチナシ赤色素
クチナシ(Gardenia augusta Merrill又はGardenia jasminoides Ellis)の果実から得られたイリドイド配糖体のエステル加水分解物とタンパク質分解物の混合物に、β-グルコシダーゼを添加して得られたもので、デキストリン又は乳糖を含むことがあります。
クチナシ黄色素
クチナシ(Gardenia augusta Merrill又はGardenia jasminoides Ellis)の果実から得られた、クロシン及びクロセチンを主成分とするもので、デキストリン又は乳糖を含むことがあります。
クーロー色素
ヤマノイモ科ソメモノイモ(Dioscorea matsudai HAYATA)の根より、熱時水、弱アルカリ性水溶液若しくはプロピレングリコールで抽出したもの、又は室温時含水エタノールで抽出して得られたもので、赤褐色を呈します。
クロロフィリン
「クロロフィル」を、温時アルカリ性エタノール水溶液で加水分解し、希塩酸で中和した後、含水エタノールで抽出して得られたもので、主成分はマグネシウムクロロフィリンです。緑色を呈します。
クロロフィル
緑色植物より得られた、クロロフィル類を主成分とするもので、食用油脂を含むことがあります。
酵素処理ルチン(抽出物)
「ルチン(抽出物)」とでん粉又はデキストリンの混合物に、シクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼを用いてグルコースをα-1,4付加して得られたもので、主成分はα-グルコシルルチンです。
コウリャン色素
イネ科コウリャン(Sorghum nervosum BESS.)の実及び殻より、温時~熱時水、含水エタノール若しくは酸性含水エタノールで抽出して得られたもの、又は室温時~温時アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたもので、主色素はアピゲニニジン及びルテオリニジンです。赤褐色を呈します。
コチニール色素
エンジムシ(Dactylopius coccus Costa(Coccus cacti Linnaeus))から得られた,カルミン酸を主成分とするものです。
骨炭色素
ウシ科ウシ(Bos taurus LINNE var.domesticus GEMEL.)等の骨を、炭化した物で、主色素は炭素です。黒色を呈します。
シアナット色素
アカテツ科シアノキ(Butyrospermum parkii KOTSCHY.)の果実又は種皮より、室温時弱アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたもので、褐色を呈します。
シタン色素
マメ科シタン(Pterocarpus santalinus LINNE)の幹枝より、水、熱時プロピレングルコール又は温時エタノールで抽出して得られたもので、主色素はサンタリンです。紫赤色を呈します。
植物炭末色素
植物を、水蒸気賦活法で高温に加熱し炭化したもので、主色素は炭素です。黒色を呈します。
スピルリナ色素
スピルリナ(Spirulina platensis Geitler)の全藻から得られた、フィコシアニンを主成分とするもので、デキストリン又は乳糖を含むことがあります。
タマネギ色素
ユリ科タマネギ(Allium cepa LINNE)のりん茎より、温時~熱時水若しくは含水エタノールで抽出して得られたもの、又は温時~熱時弱アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたもので、主色素はクエルセチンです。黄色を呈します。
タマリンド色素
マメ科タマリンド(Tamarindus indica LINNE)の種子を焙焼したものより、温時弱アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたものです。主色素はフラボノイドです。赤褐色を呈します。
デュナリエラカロテン
デュナリエラ(Dunaliella bardawil又はDunaliella salina)の全藻から得られた、β-カロテンを主成分とするもので、食用油脂を含むことがあります。
トウガラシ色素
トウガラシ(Capsicum annuum Linne)の果実から得られた、カプサンチン類を主成分とするもので、食用油脂を含むことがあります。
トマト色素
トマト(Lycopersicon esculentum Miller)の果実から得られた、リコピンを主成分とするもので、食用油脂を含むことがあります。
ニンジンカロテン
ニンジン(Daucus carota Linne)の根から得られた、カロテンを主成分とするもので、食用油脂を含むことがあります。
パーム油カロテン
アブラヤシ(Elaeis guineensis Jacquin)の果実から得られた、カロテンを主成分とするもので、食用油脂を含むことがあります。
ビートレッド
ビート(Beta vulgaris Linne)の根から得られた、イソベタニン及びベタニンを主成分とするもので、デキストリン又は乳糖を含むことがあります。
ファフィア色素
酵母(Phaffia rhodozyma MILLER)の培養液より、室温時アセトン、エタノール、含水エタノール、ヘキサン又はこれらの混合液で抽出し、溶媒を除去して得られたもので、主色素はアスタキサンチンです。橙~赤色を呈します。
ブドウ果皮色素
アメリカブドウ(Vitis labrusca Linne)又はブドウ(Vitis vinifera Linne)の果皮から得られた、アントシアニンを主成分とするものです。デキストリン又は乳糖を含むことがあります。
ペカンナッツ色素
クルミ科ピーカン(Carya pecan ENGL. et GRAEBN.)の果皮又は渋皮より、熱時水若しくは含水エタノールで抽出して得られたもの又は熱時酸性水溶液で抽出し、中和して得られたもので、主色素はフラボノイドです。褐色を呈します。
ベニコウジ黄色素
子のう菌類ベニコウジカビ(Monascus purpureus WENT.)の培養液を乾燥し、粉砕したものより、微温時弱塩酸酸性エタノールで抽出し、中和して得られたもので、主色素はキサントモナシン類です。黄色を呈します。
ベニコウジ色素
ベニコウジカビ(Monascus pilosus又はMonascus purpureus)の培養液から得られた、アンカフラビン類及びモナスコルブリン類を主成分とするものです。
ベニバナ赤色素
ベニバナ(Carthamus tinctorius Linne)の花から得られた、カルタミンを主成分とするもので、デキストリン又は乳糖を含むことがあります。
ベニバナ黄色素
ベニバナ(Carthamus tinctorius Linne)の花から得られた、サフラーイエロー類を主成分とするもので、デキストリン又は乳糖を含むことがあります。
ヘマトコッカス藻色素
ヘマトコッカス(Haematococcus spp.)の全藻から得られた、アスタキサンチン類を主成分とするものです。食用油脂を含むことがあります。
マリーゴールド色素
マリーゴールド(Tagetes patula Linne若しくはTagetes erecta Linne又はそれらの種間雑種)の花から得られた、キサントフィルを主成分とするものです。
ムラサキイモ色素
サツマイモ(Ipomoea batatas Poiret)の塊根から得られた、シアニジンアシルグルコシド及びペオニジンアシルグルコシドを主成分とするものです。デキストリン又は乳糖を含むことがあります。
ムラサキトウモロコシ色素
トウモロコシ(Zea mays Linne)の種子から得られた、シアニジン3-グルコシドを主成分とするもので、デキストリン又は乳糖を含むことがあります。
ムラサキヤマイモ色素
ヤマノイモ科ヤマイモ(Dioscorea alata LINNE)の紫色の塊根より、室温時水又は弱酸性水溶液で抽出して得られたもので、主色素はシアニジンアシルグルコシドです。紫赤色を呈します。
ラック色素
ラックカイガラムシ(Laccifer spp.)の分泌液から得られた、ラッカイン酸類を主成分とするものです。
ルチン(抽出物)
アズキの全草、エンジュのつぼみ若しくは花又はソバの全草から得られた、ルチンを主成分とするものです。
ログウッド色素
マメ科ログウッド(Haematoxylon campechianum)の心材より、熱時水で抽出して得られたもので、主色素はヘマトキシリンです。黒褐色を呈します。