食生活アドバイザー3級解説 もてなし上手になろう

「もてなし上手になろう」とは、食生活アドバイザー検定の3級の範囲です。
2級では、食文化と食習慣という題目ですが、3級では、このように嚙み砕いた言い方をしています。

本ページでは、3級の範囲である「もてなし上手になろう」の重要ポイントをまとめました。

おめでたいことや特別な状態をハレ、日常的な日や、通夜、告別式などの日をケといいます。
ハレの日には五節句、年中行事、通過儀礼などがあり、行事の内容によってさまざまな食事を供します。

五節句
季節の変わり目となる日を節句とよび、この日に食べる料理を節供といい、季節の食材を使った料理を食します。
1月7日 節句:人日 別名:七草の節句 料理:七草がゆ
3月3日 節句:上巳 別名:桃の節句 料理:白酒、菱餅、草餅、ハマグリのお吸い物、ちらし寿司
5月5日 節句:端午 別名:菖蒲の節句 料理:ちまき、かしわもち
7月7日 節句:七夕 別名:七夕祭り 料理:そうめん
9月9日 節句:重陽 別名:菊の節句 料理:菊酒、菊寿司、くり飯

年中行事
決まった日に行われる行事で、特別なものを食したりします。
行事:正月(1月1日~3日) 食べ物:若水(水)、鏡餅、おとそ(お酒)、雑煮、おせち料理
行事:鏡開き(1月11日) 食べ物:鏡餅入り小豆汁粉
行事:小正月(1月15日) 食べ物:小豆がゆ
行事:節分(2月3日または4日) 食べ物:煎り豆、恵方巻き
行事:春彼岸(3月20日頃) 食べ物:ぼたもち、彼岸だんご、精進料理
行事:灌仏会(4月8日) 食べ物:甘茶
行事:盂蘭盆(7月13日~15日) 食べ物:野菜、果実、精進料理
行事:月見(8月15日、9月13日) 食べ物:きぬかつぎ(里芋)、月見団子
行事:秋彼岸(9月20日頃) 食べ物:おはぎ、彼岸団子、精進料理
行事:七五三(11月15日) 食べ物:千歳あめ
行事:新嘗祭(11月23日) 食べ物:餅、赤飯
行事:冬至(12月22日または23日) 食べ物:冬至がゆ、冬至かぼちゃ
行事:クリスマス(12月25日) 食べ物:クリスマスケーキ
行事:大晦日(12月31日) 食べ物:年越しそば

賀寿
賀寿とは長寿のお祝いで、数え年で特定の年齢に達したときにお祝いし、赤飯や鯛などを食します。
還暦:61歳
古希:70歳
喜寿:77歳
傘寿:80歳
米寿:88歳
卒寿:90歳
白寿:99歳

通過儀礼
人の一生の中でさまざまな節目をお祝いする儀式。
お七夜:生後7日目に名づけ祝いを行い、赤飯や鯛を食べる。
初宮参り:男の子は生後31日、女の子は生後32日ごろに産土神に参拝することで、赤飯、紅白餅、鰹節を食べる。
お食い初め:生後120日目に一生食べ物に困らないようにお祈りし、食い初め膳、赤飯、尾頭付き魚、吸い物を食べる。
初誕生日:赤飯、一升餅を食べる。
十三参り:生まれた年の干支が初めてめぐってくる年に行う行事。
婚礼:赤飯、かつお節、昆布、するめなどを食べる。

郷土料理
北海道:石狩鍋、ジンギスカン鍋、いかめし、松前漬け
青森:いかの鉄砲焼き、ほやの水もの、たらのざっぱ煮、りんごなます
岩手:わんこそば、鮭のもみじ漬け、ほろほろ
秋田:きりたんぽ、はたはた寿し、しょっつる鍋
山形:いも煮、納豆汁、どんがら汁
宮城:ずんだもち、ずんだ和え、笹かまぼこ、腹子めし
福島:にしん漬け、ううめん、棒だらの煮物
茨城:あんこう鍋、納豆料理
栃木:かんぴょう料理、しもつかれ
群馬:こんやく料理、おきりこみ
千葉:さんが、あわびの酒蒸し、くさりずし
神奈川:あじのたたき、あじずし、かまぼこ
埼玉:つとこ、ネギの酢みそ
東京:深川めし、どじょう鍋、もんじゃ焼き
新潟:わっぱめし、のっぺい汁、笹だんご、越後雑煮
富山:ますずし、ほたるいか料理
石川:治部煮、かぶらずし
福井:ぼっかけ、かに鍋
山梨:ほうとう
長野:おやき、そば料理
岐阜:みょうがもち、あゆ料理
静岡:麦とろ飯、うなぎ料理、わさびの茎の酢の物
滋賀:ふなずし、ますずし、近江牛のすき焼き、こんにゃくの刺身、田楽
三重:てこねずし、貝料理
京都:精進料理、いも棒、湯豆腐
大阪:たこやき、船湯汁、ハモ料理、昆布の煮物
兵庫:いかなごの釘煮
和歌山:茶がゆ焼き、すずめずし、うつぼの照り焼き
岡山:ままかりの酢漬け、鯛めし
鳥取:かに料理
島根:割子そば、めのは飯
広島:かき料理、あなごめし、煮ごめ
山口:いとこ煮、ふぐ刺し、たこの酢みそ和え
徳島:わかめ汁、あゆずし
香川:さぬきうどん、しょうゆ豆、源平鍋
高知、皿鉢さわち料理、かつお料理
愛媛:伊予さつま、いぎす豆腐、ひじきの梅肉煮
福岡:しらうおのおどり食い、水炊き、筑前煮
佐賀:ムツゴロウ料理、干だら料理
大分:あごのそぼろ煮、さらしくじらの酢みそ、だんご汁
長崎:ちゃんぽん、皿うどん、豚大根、しっぽく料理、カラスミ
熊本:からしレンコン、ひともじのぐるぐる、ふだん草の芋みそ和え
宮崎:冷汁、椎茸めし、甘鯛といかの酒蒸し、湯なます
鹿児島:とんこつ料理、酒ずし、きびなご料理、さつま汁、鶏飯
沖縄:ゴーヤチャンプルー、ソーキそば、ラフテー、セーファン、ジューシー

土産土法
その土地で生産されたものは、その土地の方法で調理や保存をして食べることが好ましいという考え方。
メリットとしては、収穫後すぐ食べれるため新鮮であることや、流通の面で手間がかからないといったことが挙げられる。
関連する言葉としては、以下のようなものがある。
地産地消:その土地で生産されたものをその土地で消費するということ。
身土不二:その土地の自然に適応した作物を育て、食べることで健康を維持できるという考え方。

スローフード
ファーストフードに対して、伝統を守ることや、味覚教育を行うこと、楽しみながら食べることといった考えやライフスタイルをスローフードといい、伝統的な食材や料理の継承、質の良い食材を提供する生産者の保護の観点から、イタリアで提唱された。

農作物の栽培方法
促成栽培:野菜や果物の生育を早める栽培方法
抑制栽培:野菜や果物の生育を遅らせる栽培方法

おいしさと五感
おいしさは味覚だけで感じるものではなく、味覚を含めた五感(視覚、嗅覚、触覚、聴覚、味覚)すべてで感じるものである。
味の種類には、五味とよばれる基本味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)があり、舌で五味を感じて、その刺激が神経を通じて脳に伝わり、最終的に味覚として完治される。五味の詳細については、当HPの味覚のページを参考にしていただければ幸いです。
味覚まとめ
甘味
苦味
塩味
酸味
うま味

また、味の相互作用効果として、以下の減少が知られている。
対比効果:味の異なる2種類の物質を同時に、または継続的に与えたとき、一方の味が強められる効果(例、スイカに塩)
相乗効果:同じ味を持つ2つまたは複数の物質を混ぜ合わせたとき、単独よりも「うま味」を引き出す効果(例、こんぶとかつお節)

食品の数え方
食品や食品に関連する道具の数え方には特徴的なものが存在する。
菜類:把(わ)、こんにゃく:丁・枚、そうめん:束・把、海苔:帖、食パン:斤(きん)、羊羹:棹(さお)、いか・たこ:杯、はまぐり:口・個、椀:客、コーヒーカップ・ソーサー:客

日本料理の特徴
日本料理は、季節感のある目で楽しむ料理といわれ、味付けは淡白で、見た目も重視した盛り付けをするのが特徴である。
本膳料理:お客様の正面に配る膳を本膳といい、一汁三菜を基本とした料理である。
袱紗料理:本膳料理を簡略化した膳立ての料理。
会席料理:宴席の料理で、お酒を楽しむための料理。
懐石料理:茶会や茶事の席で出す簡素な料理。
精進料理:動物性の食材を一切使わず、植物性の食材だけで作る料理。
卓袱料理:中国風の総菜料理。大皿に盛りつけた料理を取り分けて食べる。

世界の食べ物・飲み物
アメリカ:ハンバーガー、ホットドック
メキシコ:タコス、ソルティージャ
インド:タンドリーチキン、ナン、チャパティ、マサラティー
韓国:キムチ、プルコギ、ビビンバ、トッポギ、サムゲタン
タイ:トムヤンクン、バミー、グリーンカレー
イギリス:フィッシュアンドチップス、サンドイッチ、ローストビーフ
イタリア:パスタ料理、ピザ、リゾット、ジェラート
スペイン:パエリア、ガスパチョ、サングリア
ドイツ:ザワークラウト、ソーセージ、ジャーマンポテト
フランス:フォアグラ、テリーヌ、ミルフィーユ、エスカルゴ、ヴィシソワーズ、ポトフ
ロシア:ピロシキ、ボルシチ、ビーフストロガノフ

調理の目的
・食べやすく、消化吸収しやすくする。
・食欲を増すように風味を良くする。
・有害なもの、食に適さないものを除外し、衛生上の危険を排除する。
・保存性を高める。
・外観を美しくする。

日本料理のマナー
飯椀を左、汁椀を→、奥に主菜、副菜を置く。汁、飯、おかずの順に食べるのが基本。

箸使いのタブー
握り箸:お箸を握って持つこと。
迷い箸:取る料理に迷ってあちこち箸を動かすこと。
寄せ箸:卓の遠い位置に有る器をお箸で手前に寄せること。
かき箸:茶碗を口につけて箸でかき込んで食べること。
込み箸:口の中に一杯箸で押し込んで食べること。
刺し箸:つまみにくい料理を刺して取ること。
ねぶり箸:箸先を口に入れてなめること。
移り箸:料理を取りかけて他のものに替えること。
せせり箸:歯に詰まったものを取ろうと、つま楊枝代わりに使うこと。
そら箸:一度料理に箸をつけておきながら、食べないで箸をひくこと。
渡し箸:器の上に箸を渡しておくこと。
持ち箸:箸を持ったまま、ほかの食器を持つこと。
涙箸:箸の先から汁をぽたぽたとたらすこと。
横箸:2本の箸をそろえてスプーンのようにして料理をすくうこと。
たたき箸:器を箸でたたくこと。
ふたり箸:2人で1つのものをはさむこと。
もぎ箸:箸についた飯粒などを口でもぎとること。

西洋料理のマナー
左から着生記して、料理が運ばれる前にナプキンを膝の上に置く。
ナイフ、フォーク、スプーンは外側から中に向かって使う。

中国料理のマナー
食事の前に乾杯をする。
円卓を回すときは、原則として右回りに料理を送る。

食べ物にまつわる言葉
青菜に塩:元気がなくしょげていることのたとえ。
秋茄子は嫁に食わすな:秋茄子はとても美味しいので嫁に食べさせるのはもったいないという意味。
雨後の筍:増えるのが速く、勢いが盛んなことのたとえ。
独活の大木:体ばかり大きくて何の役にも立たない人のたとえ。
えぐい渋いも味のうち:なくてはならない大切なものという意味。
火中の栗を拾う:他人の利益のために危険を顧みずに行動し、思わぬとばっちりを受けることのたとえ。
鴨が葱をしょってくる:鴨料理には葱がつきもので、このうえない好都合が重なることのたとえ。
山椒は小粒でもぴりりと辛い:体は小さくても元気がよく才能にすぐれていれば、ばかにすることはできない、あなどれないということ。
三里四方の野菜を食べろ:身近でとれた新鮮な野菜を食べていれば、健康で長生きができるという意味。
濡れ手で粟:苦労せずに多くの利益を得ること。
茗荷を食えば物忘れする:自分の名前すら忘れてしまうような物忘れのひどい人のお墓から茗荷が生えてきたことから言われる俗説。
鰯七度洗えば鯛の味:鰯も不要な油脂を落とせば、タイに勝るとも劣らない味になるという意味。
魚心あれば水心:自分が相手に対して好意を持てば、相手もこちらに対して好意を持ってくれること、親しい関係にあること。
海背川腹:海の魚は背から焼き、川の魚は腹から焼くとよいという意味。
海老で鯛を釣る:少しの元手で大きな利益や結果を得ることのたとえ。
沖のハマチ:あてにならないことのたとえ。
腐っても鯛:優れたものは落ちぶれても価値を失わないというたとえ。
花見過ぎたら牡蠣食うな:5月から8月の牡蠣は生殖巣が成熟し毒化しやすくなることからできたことわざ。
フグは食いたし命は惜しし:結果を恐れてなかなか行動に移せない、迷うときのようす。
塩梅:物事の具合、調子、加減のこと。
医食同源:命にとって医療と食事は同じくらい大切だという意味。
芥子は気短かものに掻かせろ:芥子はのんびりしていると辛味がとんでしまうので、手早く掻いたほうがよいこと。
調味料の入れ方はサシスセソ:調味料を砂糖、塩、酢、しょうゆ、みその順番で入れると味がよく出来上がり、香りもよく仕上がること。
月とすっぽん:二つの対象が比較にならないほど大きく違っていることのたとえ。
強火の遠火で炎を立てず:魚を焼くときの基本、強火で魚の表面を焼き、遠火で中までじっくりうま味を逃さないように焼く。
手塩にかける:自分で直接手にかけ気を配りながら世話をすることのたとえ。
豆腐に春日井:効果がない、無駄なことのたとえ。
煮ても焼いても食えぬ:相手に抜け目がなく、何をしてもこちらのいうことを聞かないようなこと。
猫に鰹節:過ちを犯してしまいそうな状況をわざわざ作ってしまうこと。
花より団子:名声や名誉よりも実益を選ぶ、外見よりも内容を選ぶこと。
蜜柑が黄色くなると医者が青くなる:蜜柑が黄色くなる季節は体調が保たれ、医者にかかる人が減るという意味。
餅は餅屋:物事にはそれぞれ専門家に任せるのがよいことのたとえ。
病は口より入る:病気は食べ物が原因で起こることが多く、食中毒や食生活の乱れによっておこる病気が多いという意味。
われ鍋にとじぶた:欠点のあるもの同士が仲良くしていること。

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