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ラタトゥイユとカポナータの違いとは?
「ラタトゥイユ」と「カポナータ」は、いずれも地中海沿岸地域を発祥とする民族料理ですが、みなさんその違いについてはご存知でしょうか?
本ページではラタトゥイユとカポナータの違いや、同じような素材で作られるミネストローネとの関係性、それぞれの料理の保存方法や日持ちについて記事にしました。
ラタトゥイユとカポナータの違い
ラタトゥイユとカポナータの見た目はほとんど同じように感じますが、実は微妙に違いがあります。
ラタトゥイユ
カポナータ
写真からもほとんど違いが分かりませんよね?
なのでまずは、それぞれの料理についてご説明します。
ラタトゥイユ
ラタトゥイユはフランス南部プロヴァンス地方、ニースの郷土料理です。
ラタトゥイユの主役はズッキーニで、その他玉ねぎ、ピーマンなどの数種類の野菜をにんにくとオリーブオイルで炒め、トマトと香草やワインで煮て作ります。
味付けは塩コショウなどシンプルなものとなっています。
ラタトゥイユ(ratatouille)の語源は「touiller」=「かき混ぜる」であり、その名の通り、かき混ぜながら炒め煮にしていくのがラタトゥイユです。
カポナータ
カポナータはイタリア南部のシチリア島が発祥の伝統料理です。
カポナータの主役はナスであり、ラタトゥイユはすべての材料をまとめて炒め煮するのに対し、カポナータは、まず玉ねぎやセロリなどの野菜を炒め、そこに素揚げしたナスを加えてトマトと一緒に煮込んでいきます。
味付けは、塩コショウだけでなく、ワインビネガーや砂糖を加えるので、少し甘酸っぱい味わいになります。
違いのまとめ
ラタトゥイユとカポナータの違いをまとめると下記のとおりです。
・国
ラタトゥイユ→フランス
カポナータ→イタリア
・主役
ラタトゥイユ→ズッキーニ
カポナータ→ナス
・調理方法
ラタトゥイユ→すべての材料を炒め煮
カポナータ→ナスを素揚げして、食材を順番に入れて煮ていく
・味付け
ラタトゥイユ→塩コショウなどシンプル
カポナータ→ワインビネガーや砂糖でしっかり味付け
見た目は非常に似ている料理ですが、実はこんなにも違いがあるんですね。
ミネストローネ
ミネストローネはカポナータと同じくイタリア発祥の料理であり、ラタトゥイユやカポナータとほとんど同じ材料で作られます。
具体的にミネストローネは、玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、キャベツ、セロリ、ズッキーニなどが入ったトマトベースの具だくさんのスープを指し、パスタや米を入れることもあります。
使う材料は、季節や地方、家庭によって様々で、決まったレシピもないので、トマトが入っていないものでもミネストローネと呼ぶこともあります。
ラタトゥイユやカポナータと異なるミネストローネの特徴として、ミネストローネはスープ料理であり、野菜をにんにくとオリーブオイルで炒め、トマトを加え、水とブイヨンで煮込んで作ります。
ミネストローネの材料はラタトゥイユやカポナータと非常に似ているため、作りすぎて余ったラタトゥイユやカポナータをミネストローネにアレンジもできるのではないでしょうか。
日持ちと保存方法
ラタトゥイユ、カポナータともに火が通っているの料理ですので保存にも適しています。
清潔な保存容器に移し、粗熱をとって冷蔵庫で保存すれば3日ほど保存できます。
酢には抗菌作用があることから、酢を使ったレシピは4~5日持たせることができるので、カポナータはラタトゥイユに比べ保存期間を長くすることができます。
さらに長く保存したいときは、しっかり封のできるフリーザーバッグなどに小分けにして冷凍すれば、1か月ほどは保存できます。
ただし、長期保存はどうしても味がおちるので避けた方が無難であり、芋類など冷凍に向かない食材を入れた場合は取り除くなどの工夫が必要と考えられます。
解凍は、レンジ等で再加熱したやり方が衛生面や品質面で安心です。
パスタやカレーなどに加えて食べるのもテイストが変わって良いですね。
つくってみた感想
ラタトゥイユとカポナータをそれぞれ作ってみました。
ラタトゥイユ
カポナータ
上の写真はそれぞれ作ったときのものとなっています。
ラタトゥイユは材料をすべて入れてから20分ほど煮込んだのが時間かかったなあという印象でした。
一方カポナータは、ただただナスを素揚げする作業が面倒でしたが、味付けはカポナータの方が圧倒的好みでした。
カポナータは素揚げした分全体的にコクがあって食べ応えがあるため、すごくおなかが空いているときでも満腹感が得られると思います。
一方ラタトゥイユは味があっさりしているので、夏バテ時などの食欲のない時とかでも食べやすく夏に向いている料理と感じました。
両方の料理にそれぞれ良いところがあり、パスタやそうめんにかけて食べても美味しいのではないかと思いました。
手間を省いて作りやすくするためには、材料をレンジ加熱することで煮込み時間を短縮するといった工夫が良いかもしれません。
まとめ
ラタトゥイユとカポナータの違いについてまとめると下記のとおりです。
・ラタトゥイユはフランス料理、カポナータはイタリア料理
・ラタトゥイユはズッキーニが主役、カポナータはナスが主役
・ラタトゥイユは全ての材料を炒め煮、カポナータはナスを素揚げして、食材を順番に入れて煮る
・ラタトゥイユは塩コショウなどシンプルな味付けであり、カポナータはワインビネガーや砂糖でしっかり味付け