様々な料理に使われている醤油ですが、種類がたくさんあることは、ご存知でしょうか?
本記事については醤油の種類と特徴についてまとめてみました。
JAS規格による醤油
JAS規格によって「醤油」とは以下のように定められています。
次に掲げるもの(これらに砂糖類(砂糖、糖みつ及び糖類をいう。以下同じ。)、アルコール等を補助的に加えたものを含む。)をいう。
1 大豆(脱脂加工大豆を含む。以下同じ。)若しくは大豆及び麦、米等の穀類(これに小麦グルテンを加えたものを含む。)を蒸煮その他の方法で処理して、こうじ菌を培養したもの(以下「しょうゆこうじ」という。)又はしょうゆこうじに米を蒸し、若しくは膨化したもの若しくはこれをこうじ菌により糖化したものを加えたものに食塩水又は生揚げを加えたもの(以下「もろみ」という。)を発酵させ、及び熟成させて得られた清澄な液体調味料(製造工程においてセルラーゼ等の酵素(たん白質分解酵素にあっては、しろしょうゆのたん白質を主成分とする物質による混濁を防止する目的で生揚げの加熱処理時に使用されるものに限る。)を補助的に使用したものを含む。以下「本醸造方式によるもの」という。)
2 もろみにアミノ酸液(大豆等の植物性たん白質を酸により処理したものをいう。以下同じ。)、酵素分解調味液(大豆等の植物性たん白質をたん白質分解酵素により処理したものをいう。以下同じ。)又は発酵分解調味液(小麦グルテンを発酵させ、分解したものをいう。以下同じ。)を加えて発酵させ、及び熟成させて得られた清澄な液体調味料(以下「混合醸造方式によるもの」という。)
3 1、2若しくは生揚げ又はこのうち2つ以上を混合したものにアミノ酸液、酵素分解調味液若しくは発酵分解調味液又はこのうち2つ以上を混合したものを加えたもの(以下「混合方式によるもの」という。)
1は本醸造方式、2は混合醸造方式、3は混合方式で作られた醤油の説明となっています。
さらに、JAS規格によって醤油は下記の5つの醤油に分類されます。
濃口醤油
最もメジャーな醤油であり、卓上調味料としてや、調理用醤油としても使用されるため、非常に幅広い分野で使用されます。
食塩分は約16%であり、発酵させる麹は、大豆または脱脂加工大豆を蒸したものに、ほぼ等量の炒って砕いた小麦を混ぜて作ります。
淡口醤油
近畿地方中心で使用され、汁物、煮物、かけうどんつゆなどの料理用に用いられます。近畿の料理は昆布出汁を多用し、昆布の風味が失われないよう香りの薄い醤油が求められたためです。
また、塩分濃度は濃口より1割ほど高いことが特徴です。仕込み時に、麹の量を少なくして、仕込み塩水の比率を高くするため塩分濃度が高くなります。
たまり醤油
江戸時代中期までの醤油の主流であり、とろりとしており旨味、風味、色ともに濃厚であることが特徴です。
刺身につけたり、照焼きのタレなどに向いており、味噌を絞ってその液体部分だけを抽出して作られます。
東海3県が主産地です。
再仕込み醤油
さしみ醤油・甘露醤油とも呼ばれる、風味、色ともに濃厚なものです。
しょうゆを2度醸造するような製法をとるため「再仕込み」しょうゆと呼ばれます。
価格も高く、多くは卓上調味料として、主に刺身や鮨に用いられます。発祥は山口県の柳井地方とされています。
白醤油
小麦を主原料に、炒った大豆を少量用いて麹をつくることが特徴です。
愛知県碧南市原産で、現在でも愛知県を主産地としますが、関東など他地域でも生産されています。
色調はかなり淡く、うま味やコクが低く、また糖分が12~16%と高く、素材本来の色を活かしたり、高級料理のかくし味、うどんの汁などに利用されます。