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多糖類のダイユータンガムの構造や特徴、利用方法とは?

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みなさんダイユータンガムという多糖類はご存知ですか?

ダイユータンガムはデュータンガムとも表記されることがあり、米国CP Kelco社によって開発された多糖類です。

本記事では、ダイユータンガムの性質や特徴について記載しました。

ダイユータンガムとは

ダイユータンガム(デュータンガム)とは、コーンシラップを原料として、アルカリゲネス属の微生物を用いて好気発酵することによって得られる多糖類です。

ダイユータンガムは、非常に高いシュードプラスチック性(力を加えると流動性が上がる性質)を示すため、液だれ防止、乳化安定性向上、粒子の沈降防止や懸濁安定性向上など、様々な用途で使用することが可能です。

他にも、冷水・温水に溶解することや、pH安定性が高いといった特徴があるそうです。

ダイユータンガムの構造

ダイユータンガムは、主鎖がグルコース、グルクロン酸、グルコース、ラムノースの4つの糖が繰り返される構造です。

この主鎖の構造は、ウェランガムと呼ばれる多糖類と同じ構造ですが、ダイユータンガムは、ウェランガムとは側鎖の構造が異なります。

ウェランガムは、上述した4つの繰り返し構造中に、側鎖としてラムノースまたはマンノースが1つ付いているのに対して、ダイユータンガムは、側鎖に2つのラムノースが付いています。

ダイユータンガムの構造

ウェランガムの構造

ダイユータンガムの利用

多糖類は、食品分野で増粘剤やゲル化剤として用いられることが多いですが、ダイユータンガムは食品添加物として認可を受けていないため、食品分野で使用されることはありません。

しかし、ダイユータンガムはセメントとの相性が良いため、主にコンクリートの増粘剤として使用されています。

コンクリートの増粘剤には、似た構造のウェランガムも用いられていますが、ある報告によるとダイユータンガムは、ウェランガムよりも少ない添加量でコンクリートを増粘、安定化させることが出来るようです。

また、ダイユータンガムの構造は、イオンの影響を受けやすいカルボキシル基を持つグルクロン酸が、6つに1つあるのに対して、ウェランガムは5つに1つです。

そのため、ダイユータンガムは、ウェランガムに比べイオンの影響を受けにくいといった特徴があります。

コンクリートには、イオン系の物質が使われることもあるため、ダイユータンガムはその点でもウェランガムと比較して有利であり、より少ない添加量で効果を発揮するみたいです。

最近では農薬としての利用についてアメリカで認証されたそうで、農薬分野においても今後は利用されていく可能性があります。

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