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増粘剤に用いられる食品添加物のカラヤガムとは?

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カラヤという木の樹脂から取れる多糖類のカラヤガムはご存知ですか?

カラヤガムは肌への刺激性が低いことや粘着性が高い性質を持ち、医薬品や食品分野で利用されています。

本記事では、カラヤガムについてご紹介いたします。

カラヤガムとは

カラヤガムはインドやセネガル、マリ等に分布するアオギリ科カラヤの木の滲出液から得られる多糖類であり、ガラクトース、ラムノース、ガラクチュロン酸から構成される酸性多糖です。

カラヤは比較的乾燥した高原地帯で育ちやすいことから、アフリカやインドなどに生育するといった特徴があります。

カラヤガムは何世紀もの間、アフリカやインドで伝統的に調理で使用されてきた経緯から、近年、独特な特性が世界中で注目され、産業化されました。

カラヤガムの製造方法

カラヤガムの製造方法は比較的単純で、カラヤの木に傷をつけて、滲出した塊状のカラヤガムを回収することから始まります。

回収後、塊状のカラヤガムを粉砕して、その後洗浄等を行って精製作業を実施し、スプレードライヤー等の粉末化処理の工程を経て製品形態へとなります。

カラヤガムの性質

カラヤガムは分子量が約950万とされており、水には溶解せず、水に分散させた際には膨潤して高粘度、高粘着性の性質を発現します。

粘度

粘度については、増粘剤として広く使用されているキサンタンガムと近い性質を示し、シュードプラスチック性(力を加えると粘度が下がる)を示します。

また、高温になると粘度が低下し、溶解性が向上します。

地域性

また、カラヤガムの性質は、カラヤが育った地域などにも依存して変化します。

アフリカ地域のカラヤから抽出したカラヤガムは分子量が大きく、粘性が高い特徴があります。

一方、インド地域のカラヤから抽出したカラヤガムは、管理レベルが高いことから微生物レベルが低く、綺麗であることが知られています。

ゲル化性

カラヤガムは、多価アルコールと共存することでゲル化する性質があります。

カラヤガムの利用

カラヤガムは食品分野や医薬品分野で利用されており、以下に利用例を示します。

医薬品としての利用

人工的肛門(ストーマ)の皮膚保護剤として用いられ、カラヤガムの粘着性や保湿性といった性質が利用されています。

カラヤガムは高い膨潤性を有しているため腸内の排出を整える働きがあり、膨張性の下剤として用いられます。

また、カラヤガムが他の薬剤を胃から保護して腸内に薬剤成分を届ける作用もあるため、下剤として用いられることもあります。

また、高い接着性を生かして義歯の安定化剤として用いられます。

化成品としての利用

カラヤガムは毛髪及への良好な吸着能を有していることから、ヘアーコンディショニング剤として優れた特性をもちます。

食品としての利用

カラヤガムは高い膨潤性から満腹感を得ることが出来るため、ダイエット食品に利用されるケースがあるそうです。

また、高い粘性とpH安定性が高いことから、ドレッシングなどの粘度付け等にも用いられます。

カラヤガムは氷結晶を安定化することで、食品の冷凍耐性を高める作用があり、冷凍食品やアイスクリーム等に用いられます。

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