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ゲノム編集食品って安全?遺伝子組換えとの違いも解説!

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最近、ゲノム編集食品という言葉を聞くことがありませんか?

一般消費者には中々分かりにくい言葉ですが、ゲノム編集は今最も注目されている技術の一つです。

医療分野では、既に同技術によって難病に対する新薬が開発されていますが、食品の分野では、家畜や作物を品種改良する際にゲノム編集技術を用いようとしています。

本記事では、ゲノム編集技術を利用して作られた「ゲノム編集食品」と遺伝子組換えの違い等について纏めました。

ゲノム編集食品とは

ゲノム編集食品とは、作物自体が持つ遺伝子を酵素等によって改変し、遺伝子の働きを停止したり、遺伝子を挿入し、新たな機能を付与した食品です。

具体的には、ゲノムの遺伝情報を構成するDNAを切断できる酵素を、家畜や作物の細胞中に導入し、特定の部位を切断します。

すると、DNAを構成する塩基が一部抜けたり、別の種類の塩基配列が入ることによって、遺伝子の発現が変化し、作物の性質を大きく変えることが可能です。

酵素を働かせてDNAを切断した後は、ゲノム編集していない品種を交配し、特定の部位は変異していて、酵素の遺伝子は持っていない系統を選び出します。

遺伝子組換えと大きく異なるのは、遺伝子組換えは他の生物が持つ遺伝子を作物に導入しているのに対して、ゲノム編集食品ではその作物自体が持つ遺伝子を利用して改変するという点です。

ゲノム編集技術によって、味や栄養価の高い作物を作ることができ、さらに遺伝子組換えでは、他の生物の遺伝子を導入するため、自然界にない変異が入るのに対して、ゲノム編集では自然界でも起こりうる変化に留まっているため、より安全性が高いのがメリットです。

ゲノム編集食品の例

国内ではゲノム編集食品の研究開発が進んでおり、筑波大学は血圧を下げる効果があるとされる「GABA」を通常のトマトの約15倍多く含むトマトを開発中です。

また、農業・食品産業技術総合研究機構は収量の多いイネを、ゲノム編集技術を用いて開発しているそうです。

近畿大学と京都大学は、筋肉量が通常の約1.2倍で食べられる部分が増えた付加価値の高いマダイを開発しています。

九州大学では、共食いする性質を持つため養殖が難しいとされるサバに対して、ゲノム編集技術によって攻撃性を抑え共食いを減らすことに成功したそうです。

産業技術総合研究所では、卵アレルギーの原因となる成分を取り除いた卵をゲノム編集技術によって作ることに成功したそうです。

これらの事例のように、ゲノム編集技術によって様々な付加価値をもつ食品が次々と開発されています。

ゲノム編集食品の規制

ゲノム編集食品の規制については、2019年8月までに整備することが国から発表されています。

遺伝子組換え食品については、上述したように自然界では起こり得ない変化をもたらしているため、販売前に国の安全性審査を受けることが義務づけられています。

一方、ゲノム編集食品は、販売前に安全性を審査する必要はなく届け出をするだけで流通させてよい方針を出しています。

これは、食品で行われるゲノム編集のほとんどは「もともとある遺伝子の一部分を切断」していて、同じことは自然界でも「突然変異」として生じるためです。

私たちが普段食べている農作物も、自然界で生じる突然変異を利用して品種改良が繰り返されたものを食べているため、それら食品と安全性が変わらないということです。

一方、ゲノム編集技術は新しい遺伝子を導入する手法もありますが、この手法で作られた作物は安全性の確認が必要として、これまでの遺伝子組み換えと同じように安全性を審査するとしています。

あくまで、遺伝子の一部分を切断して作られた作物は規制しないというわけですね。

各国での規制

アメリカでは、農務省が2018年3月にゲノム編集食品の栽培を規制しない方針を出し、実際に大豆やトウモロコシの商業用栽培が始まっているそうです。

一方、EUは司法裁判所が18年7月に遺伝子組み換えと同様に規制するとの判断を出したそうで、慎重に議論を進めているそうです。

ゲノム編集食品と通常食品は見分けることが可能か?

では、私たち消費者は、ゲノム編集食品と通常食品を見分けることが可能かということですが、それに関しては現在議論が行われています。

遺伝子組換え食品では、パッケージに遺伝子組換え食品である旨を表示する義務がありますが、ゲノム編集食品では、表示を義務付けない方向で検討が進んでいるそうです

理由としては、ゲノム編集は、突然変異と同様の変化であるため、食品が「ゲノム編集」でできたのか、突然変異で自然にできたのか判別することが、今の技術では難しいからです。

一部の消費者は表示がないことに不安を覚える可能性があり、実際に、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会は、安全性や環境への影響などにも懸念があり、管理が届く原材料しか使用しない対応をするとし、「ゲノム編集食品を取り扱わない」と決議したそうです。

ゲノム編集食品は、私たちの生活を大きく変えることが可能な技術なだけに、上述した問題等をなんとか乗り越えて普及してほしいと思います。

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