クーベルチュールとは一般的に、製菓用のチョコレートのことを言います。
チョコレートやチョコレート菓子になくてはならないクーベルチュールを詳しく解説していきます。
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クーベルチュールとは
クーベルチュールにはダーク、ミルク、ホワイトの3種類があります。
フランス語では「クヴェールチュール(couverture)」といい、毛布や覆うものを意味します。
つまりクーベルチュールは、カバー(コーティング)するためのチョコレートになります。
実際クーベルチュールには、薄くコーティングできるという性質があります。
ココアバターの含有量が多く、チョコレートの粘性が低いためです。
そのため、ボンボンショコラ(ボンボンショコラって何?ボンボンショコラの魅力の記事参照)をはじめとしたエンローバータイプのチョコレート(製造方法によるチョコレートの違いの記事参照)のコーティングにはクーベルチュールが適しています。
ボンボンショコラって何?ボンボンショコラの魅力
製造方法によるチョコレートの違い
それ以外にも、ケーキの繊細なコーティングや、デーザートの華やかな飾り付けなど、さまざまな場面でクーベルチュールを使用しています。
形状は大きな板状のものが主流です。
現在では小さなコイン形やダイス形などもあります。
大きなブロックは削る必要がありますが、小さなものはそのまま使うことができるので手間がかからず便利です。
クーベルチュールの規格と成分
クーベルチュールは、ココアバター31%以上、固形分(カカオマス)2.5%以上で、その合計である総カカオ分が35%以上になり、ココアバター以外の代用油脂(パーム油脂など)を使わないものを指します。
この条件に満たさないものはクーベルチュールと呼ぶことはできません。
ただこの規格は国際規格の為、日本国内で販売されている製品には当てはまりません。
日本ではクーベルチュールについての規格はありません。
クーベルチュールには、カカオ分35%くらいから80%ほどのものまであります。
カカオ分は「カカオ固形分+ココアバター」なので、カカオ分の割合が高くても、一概に苦いとは言えません。
また、カカオ分の割合が同じでも、カカオ豆の種類や産地、ブレンドなどの条件によってその風味はさまざまです。
クーベルチュールの種類
ダーククーベルチュール
スィート、ビターと呼ばれることもあります。
カカオ分以外はほとんど砂糖です。
カカオ分が多いほど砂糖の量が減るため苦味が強くなります。
また、砂糖よりカカオの方が原価が高いため、カカオ分が多いほど価格も高くなります。
カカオ分55〜60%のクーベルチュールが作業としては扱いやすく、カカオ分が70%以上になるも固まる力も強くなって作業は難しく感じます。
ミルククーベルチュール
乳製品を加えたものです。
使用する乳成分は牛乳から水分を取り除いた全粉乳と脱脂粉乳などです。
粉乳を加えると全体の粘度があがるため、追油分のココアバターを増やして流動性を高めます。
粉乳を加える分ダーククーベルチュールよりも砂糖の量が少ないこともありますが、チョコレートの苦味と褐色の色味を生み出すカカオの固形分も少なくなる為、色味も風味もやさしくなり、乳製品独特のコクもでます。
ミルククーベルチュールの味や質は、カカオ豆やブレンド以外に粉乳の性質によっても左右されます。
また、カカオ分と粉乳の組み合わせが複雑な分、メーカーによって味の違いがダーク以上に出やすいのも特徴です。
ホワイトクーベルチュール
ホワイトクーベルチュールは31%以上のココアバターを含んでいることが多いですが、チョコレートの色味を生み出すカカオの非脂肪カカオ分が入っていないため、色は白〜黄色です。
カカオの非脂肪カカオ分が入っていないことで多くはカカオ分が35%に満たず、規格外となるので、正式にはクーベルチュールには入っていません。
輸入する際にもチョコレート類として取り扱われていませんが、作業の現場では習慣的にダークやミルクと並んでクーベルチュールとして扱われています。
おすすめクーベルチュール
ヴァローナフェーブカラク/ 1kg
まろやかな風味が特徴で、ナッツのような香ばしさとカカオティストのバランスの良い風味です。
weiss(ヴェイス)クーベルチュールノワールレコルタカカオ分55% 1kg
アフリカ、マダガスカル、エクアドル、ヴェネズエラ産のカカオ豆のブレンドしているが、甘さは控えめでカカオの味がしっかりしているため、万能で多用途です。
大東カカオクーベルチュールチョコ抹茶2kg
抹茶の粉末を使用した和風のクーベルチュールチョコレートです。
BARRY(カカオバリー)クーベルチュールピストールミ・アメールカカオ58%1kg
なめらかで軽く、洗練された魅力にあふれたスィートタイプのクーベルチュールです。
丁寧にローストしたカカオの風味、植物性の柔らかい酸味が持ち味です。
カレボー3815 クーベルチュールチョコ・ダーク/ 100g
はっきりとしたビターなカカオ風味と、まろやかで口溶けの良さが特徴です。
流動性が高いためコーティングなどもしやすく作業性が良いのも特徴です。