ガムの成分とダイエット効果
誰もが一度は口にしたことがあるガムですが、ガムはなぜ飲み込んではいけないのか疑問に思いませんか?
また、ガムはあまり知られていませんが、噛むことでダイエット等、様々な体に良い効果が期待できます。
本記事では、ガムの成分やガムを噛むことで得られる効果について説明します。
ガムについて
ガムの正式名称は、チューインガムやチューイングガムと呼ばれ、かむ (chew)と ゴム (gum) を組み合わせた造語から来ています。
ガムはガムベースと呼ばれる基材に甘味剤や香料を用いて味や香りをつけ、かむことで風味や口あたりを楽しむ菓子として古くから親しまれています。
そもそもガムの歴史としては、中央アメリカに住んでいたアステカ族やマヤ族のような先住民族が、サポジラやエゾマツの樹液の かたまりを噛む習慣を持っていたことに由来するという説が有力です。
ガムの一般的な形状としては、板状(板ガム)、粒状(粒ガム)、球状(ガムボール)があり、湿気等を防ぐ目的で糖衣のような コーティングが施されていることが多く、さらにこれらに個包装がなされています。
では、ガムに用いられるガムベースと呼ばれる基材はいったい何なのでしょうか?
ガムベースとは
ガムベースの主原料としては、南米産のアカテツ科の樹木であるサポジラから取れる樹液を煮て作る天然樹脂のチクルという物質が主に用いられます。
しかし、現在はコスト削減や噛み心地の調整などの目的で、マツの樹液(松脂)を加工して作るエステルガム、合成樹脂である酢酸ビニル樹脂(ポリ酢酸ビニル)やポリイソブチレンも用いられています。
また、それ以外にもソルバ、ジェルトンなどの植物性樹脂、天然ワックスなどが基材として用いられ、ガムがくっつきすぎることを防止する目的で炭酸カルシウム、タルク等も配合されます。
ガムベースとして登録されている食品添加物は下記のリンク先で確認可能ですので、ぜひご確認ください。
上記の通り、ガムベースの主成分は天然あるいは合成の樹脂、つまりプラスチックが用いられています。
プラスチックは体の中で代謝することが出来ないので、ガムは飲み込んではいけないことになっています。
しかしながら、仮に飲み込んでしまったとしてももガムベースは体内に吸収されず、便として排出されるのでそれほど問題ではありません。
ガムの効能
昔からご飯をよく噛んで食べなさいと言われるように、噛むという行為自体には様々な効能があり、その中でもガムを噛むことで得られる効能もあります。
ガムをかむとアゴを動かす咬筋が活発に運動するため、咬筋内にある紡錘型をした感覚器官「筋紡錘」を刺激し感覚神経が活発となります。
感覚神経が活発になることで、眠気が抑えられたり、集中力が高まったりする効果が得られます。
また、咀嚼行為を続けることで、セロトニンの分泌を促すという報告もあり、セロトニンは生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与するため、それらの調子を整えることが可能であり、またセロトニンが欠乏することでうつ病になると言われているので、うつ病の予防にもなります。
それ以外にも、唾液の分泌を促進することや、胃腸の働きを整える作用もあるとされています。
噛むという行為を行うだけでも、上記の理由で眠気防止になりますが、眠気防止のためのガムとして販売されているものは、カフェインを配合したり刺激的な味にすることで、その効果を高めています。
また、ガムには砂糖が使われているため歯が長時間糖に曝されることで、虫歯菌が生成する酸によって虫歯が進行するリスクがありました。
しかし近年は、虫歯菌による酸が生成せず、また歯の再石灰化を促進するような成分(リン酸化オリゴ糖カルシウム等)を配合することで、歯の健康に貢献するガムなどもあります。
また、最近ではガムダイエットという言葉があり、文字通りガムを食べることでダイエットの効果があるとされています。
その方法とは、食事の30分前くらいにガムを噛むことや、甘いものやおやつを食べたくなったらガムを噛むという方法です。
ガムを噛むことで、食事の前やおやつの時間に満腹中枢を刺激して、空腹感を和らげることで食事の量を減らすことが可能です。
さらに、咀嚼運動を行うために小顔効果も期待できるとのことです。
このダイエット方法の注意点としては、カロリーの低いガムを噛まなければ意味がないということです。
ガムには上記でも述べたように砂糖が入っているものがあるため、それらのガムを食前に噛むとかえって摂取カロリーが増える可能性があります。
よって、ガムダイエットを行う場合は、必ずカロリーが低いものを使用してください。
ガムがついたときの取り方
ガムを踏んで靴についてしまうことがよくありますよね?
ガムは非常に粘着性の物質であるため、なかなか取ることが難しいです。
しかし、ガムの成分を理解しておけば実は簡単に剥がすことが可能です。
ガムは、口の中で噛んでもなくならないのは、上記で説明したガムベースが難溶性であるためです。
このガムベースですが、実はチクルをはじめとして油溶性のものが多いため、油成分で洗浄することでガムを溶かし除去することが出来ます。
例えば中性洗剤(アルコール)または、マニキュアの除光液(アセトン)や消毒用エタノール等で取る方法が有効です。
まとめ
ガムの成分と効果について纏めてみましたがいかがでしたでしょうか?
ガムは近年、若者のガム離れによってピーク時の半分程度の売り上げとなっているそうです。
ガムを噛むことで、様々な効果が期待できるので、たまにはガムを食べてみてはどうでしょうか。