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食品業界への就職
食品業界は、食が人々にとって身近な存在であり、安定的なイメージが先行していることから、就職において人気の業界となっています。
そんな食品業界の就職に関して、本記事では私の体験談をベースに説明します。
現在就職を考えている学生の方々の理解が、少しでも深まれば大変うれしく思います。
私が食品業界を目指した理由
私がなぜ食品業界を目指したかというと、一番大きな理由は、自分が普段から関わっている物に関して仕事がしたいと思ったからです。
普段から関わっているものの中でも、特に衣食住に関係するものは、身近で楽しそうだなと思っていました。
その衣食住の中でも、食品は人間の生活にとって最も重要なものの1つと言っても過言ではなく、誰しもが必ず生きていくために摂取しているものです。
そんな食品に自分の知識や技術が関わって、もっとより良いものを作れれば楽しいんじゃないかと思ったのが、食品業界での就職を志した理由の1つです。
しかしながら、それ以外にも実は理由があり、私は高校生のときに理系科目が得意でしたが、その中でもとくに「生物」という科目が好きでした。
この「生物」という科目を専門にやっていきたいという理由から、大学は農学部を志望し無事に入学しました。
しかし、実はこれが大きな間違いとまではいかないものの、今思えば失敗だったと思っています。
というのも、私は研究や開発を行う技術職に就きたかったのですが、農学部などのバイオ系分野出身で受けることが出来る技術職は、食品や化粧品、日用品分野に限られてしまっています(一部、例外はもちろんあります)。
なので、バイオ系出身の技術職を目指す学生は、ほとんどが食品業界を受けることになり、私もそういった理由から食品業界を受けざるを得なかったというネガティブな理由があったのも事実です。
そんなわけで私は上記の2つの理由から食品業界を目指すこととしました。
食品業界への就職難易度
食品業界は、やはり身近な存在であり、また安定的なイメージがあることから、かなり人気が高い業界となっています。
そのため、他の業界に比べて、就職難易度はやや高いと感じています。
特に、私のような技術職を目指す場合は非常に難易度が高く、バイオ系出身者のほとんどが食品業界を受けるのですが、食品業界の技術職は化学業界等に比べて募集が少ないため、非常に狭き門となってしまいます。
私は2012年の冬から就職活動をし、2013年の4月に内定を頂きましたが、説明会に行った会社は50社以上であり、エントリーシートも50社程度提出しました。
工学部などであれば、学校からの推薦も多々あり、おそらくこれほどの数の会社を受ける必要なく就職できると思います。
しかし、農学部などのバイオ系は推薦も少ないため、研究をしながら就職活動を行わなければならないという、かなりキツイ作業であったと今でも思います(先生方からも白い目でみられがち)。
就職活動が長期化してしまった場合などは、実験も疎かになることから負のスパイラルにおちいってしまいます。
私の友人もそういった負のスパイラルに陥り、鬱に近い状態になっていました。
ですので、現在高校生でこの記事をご覧になってる方で進路を迷っている場合、特別農学系に行きたい理由が無ければ、無難に工学部に行くことをお勧めします。
そして、これから就職活動を控えている大学生や大学院生は、全力で就職活動を行い、早めに内定を頂くことを目指してください。
早めの内定は、のちに控えるゼミや研究活動等の学生生活を非常に優位に進めることが出来るためです。
福利厚生や待遇
食品業界は、あくまで私の所感ですが、超大手を除いて、給料はそれほど高くないと思っています。
これは、就職活動を行っていた際に、様々な業界の平均年収等を調べ、個人的に判断しただけですが、やはり同じメーカーなら化学系や自動車系などの会社の平均年収のほうが圧倒的に高いと思います。
しかしながら、福利厚生面に関しては、それほど悪くないという情報が多々あり、給料よりは福利厚生が優れているといった印象です。
ただし、福利厚生や給料は会社によって大きく異なるため、実際に入る企業によるのが正直なところです。
この辺りの情報は就職活動中に直接企業に聞くことも難しい場合があるため、私が就職活動中に情報を集めるために取った手法として、社会人の先輩方の意見や四季報、有価証券報告書等から推測する方法を用いていました。
転職情報サイト等も、実際に働いている人の意見を見ることが出来るため、おススメです。
ただし、登録には社会人であること等の条件がいる場合があるので、知り合いの社会人の方に登録してもらったりする必要がある場合もあります。
どのように現在の会社を選択したか
私は食品業界の中でも比較的給料や福利厚生が高いと推定される会社を中心に受けました。
推定の方法は、上述の通り、四季報を読んだり、有価証券報告書を読んだり、ネットで調べたり、後は先輩に聞いたりですね。
多数受けた中で、最終的に残った会社は5社くらいでした。
そして、現在の会社を選んだ理由は主に以下の理由でした。
BtoCよりBtoB
食品業界の中で有名な企業といえば、間違いなくBtoCの企業を思い浮かべると思います。
ですので、食品業界の中でもBtoCの企業は特に人気が高く競争率が高いと思います。
実際、友人や知人の方々にどこの企業で働いているか聞かれた際などは、間違いなくBtoCのほうが受けは良いです笑
しかし、私は就職活動中に企業研究していく中で、徐々にBtoBの企業に行きたいと思うようになりました。
理由としては、BtoBのほうが様々な企業の食品に使われる汎用性の高い素材を開発できるため、幅広い知識が身につくと考えたからです。
また、商品の販売を川に例えると、BtoBのほうが業界的には川上に位置し、より安定的であると思ったのも理由の1つです。
実際に、川上に位置する材料である小麦粉や油等の値段は、ほとんどの食品に影響を与えてしまいますからね。
加えて、食品業界に関しては、BtoBのほうが待遇が良い企業が多いように感じました。
実際に待遇の良い大手の会社などは、業務用食品等も扱っているため、結果としてBtoBも行っている場合がほとんどです。
最終的に残った5社のうち、2社がBtoBであったためその2社で悩みましたが、どちらかというと大学時代に行っていた研究内容が生かせそうなBtoBのみ行っている企業を最終的に選択しました。
食品業界に就職するためにやっておくと良いこと
私は食品業界に就職するために、特に何かをしていたということはありませんでした。
なので、食品業界に就職した今、恐らくこれを行っていれば就職活動に有利になるであろうと考えられることを記述します。
1つめはTOEICです。
TOEICは就職市場において、かなり重要度の高い資格といえます。
TOEICの点数が高いからといって、英語が喋れるわけではないのですが、それでも日本企業はこの点数を非常に重視する傾向があります。
TOEICの点数が高いというだけで、1ランク上の企業に就職できることも多々あると考えています。
食品業界の背景として、国内市場が人口減少によって縮小していくことが確定しているため、現在海外進出している企業が多いといったことから、英語力が非常に重要視されてきている傾向があるため、TOEICがかなり強力な武器になることは間違いありません。
そして、実際に入社した後でも英語の勉強をさせる企業は多いため、入社前から英語力でアドバンテージを持てることは、入社後のキャリアアップ等でも有利に働きます。
なので、何か1つ武器を作りたいと考えている人はTOEICを私はお勧めします。
TOEICは食品業界だけでなく、ほかの業界でも有利に働くこともメリットの1つですよね。
まずは600点以上を目指して、頑張ってみてはいかがでしょうか。
2つめは「食へのこだわり」を強くしておくことです。
食品業界で働くには当たり前ですが食に興味があるといったことが重要です。
そこで、自分が好きな食べ物何か1つに関しては、誰にも負けないくらい知識があるといったような、得意な食分野を見つけておくと、面接などでも話せて良いと思います。
最後に
食品業界への就職は道のりが険しく、途中で挫折してしまいそうになることもありました。
しかし、今実際働いてみて、普段から接する食に関して様々なことを知ることができ、そこに携われることは幸せに感じます。
今、食品業界を目指している学生さんも大変だと思いますが、ぜひ頑張ってください。
何か質問や意見があれば、お気軽にお問い合わせください。